- 購入時は水を弾いていたのに使っていくうちに段々弾かなくなってきた
- 洗濯すると裏地が剥がれ落ちた etc.
普段レインウェアを着用されている方なら一度は経験のあるケースだと思います。
残念ながらどれだけ高価なレインウェアでも購入時の性能をいつまでも持続できません。レインウェアは着ていても、着ていなくても徐々に性能は劣化していくのです。
ですが、ちょっとしたお手入れにより、より長くレインウェアの性能を保てます。ぜひこのページを参考にしてください。
防水生地のしくみ
VASTLANDのレインウェア※1に使用している防水透湿生地は図のような構成です。
まず、生地の表面に「撥水加工」と呼ばれる水を弾きやすい加工をしています。そして生地の裏面に「防水加工」と呼ばれる水を浸透させない加工をしています。
この2つの加工は似ているようでまったく異なる役目を果たしており、「撥水加工」と「防水加工」の2つの力が合わさることで初めてレインウェアとしての効果を発揮できます。
※1:「ストレッチレインウェア 上下セット」「ストレッチレインポンチョ」
撥水加工は徐々になくなる
「撥水加工」とは生地の表面に撥水効果のある薬剤を付着させる加工方法のことです。
撥水剤が付着すると撥水基と呼ばれるものが生地表面に立ちます。この撥水基のおかげで水滴がコロコロと転がりシミになりません。
ところが水分に含まれる油や汚れなどで徐々に撥水基が倒れていきます。そうなると購入時はコロコロと転がっていた水滴が広がってシミのようになり、裏面の「防水加工」が機能していても「水が染みている」感覚になります。
長持ちさせるコツは「洗濯」「乾燥」「熱処理」
レインウェアが水分を弾かなくなってきたと感じる場合、まず生地表面に付着した油や汚れなどを落とすために「洗濯」が必要になります。
洗濯方法は各製品に付いている洗濯絵表示により異なります。VASTLANDのレインウェアの場合は、ぬるま湯で中性洗剤を使用し手洗いをおこなってください。
洗濯時に注意したい点は、洗剤の量を多くしすぎないことです。必要以上に洗剤をつけすぎてしまい、洗剤が落としきれないと撥水性の悪化につながります。
次に「乾燥」をおこないます。
十分にすすぎ終わったら、直射日光を避けた風通しの良い室内でハンガーなどに吊るして陰干ししてください。この際、ドライクリーニングやタンブル乾燥は絶対におこなわないでください。防水加工にダメージを与える原因になります。また脱水機も使用しないでください。
十分に乾かした後はクローゼットなどに保管してください。
・車の中やトランクなどに長時間放置しない
・濡れたまま放置しない
・湿度が高い場所に放置しない
(クローゼットなどに保管する場合は、除湿剤を一緒に入れておきましょう)
「洗濯」、「乾燥」を十分におこなってキレイになったレインウェアに、アイロンなどで熱を加えていただく(熱処理)と、倒れていた撥水基が復活します。
この際、必ず当て布をして強く押さえすぎないようにしてください。撫でるようにアイロンをかけると効果的です。
撥水剤を使うタイミングと方法
「洗濯と熱処理をおこなっても水分を弾かなくなってきた……」 と感じる場合は、市販の撥水スプレーを使用するタイミングです。撥水スプレーには、
・ウェア用
・皮革用
・靴用
など、さまざまな種類があります。レインウェアの生地に適した撥水剤を使用してください。
・撥水効果を最大限引き出すために、撥水スプレーの使用前に必ず洗濯と乾燥をおこない、加工後は熱処理をおこなってください。
・撥水剤を薄めたり、必要以上に使うと撥水性や透湿性が損なわれます。適切な用量で使用してください。
まとめ
レインウェアは使用や経年により劣化していきます。しかし正しいお手入れと保管により購入時の状態を長く保てます。当ページや製品に付いているラベルなどを参考に、大切なレインウェアを最高の状態で使用してください。